教員と公務災害

  • 2020年12月8日
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12・8付けのニュースにて、名古屋市のバスの運転手の公務災害が名古屋地裁にて認定されたことがわかりました。市が遺族に払うお金は6400万円とのことです。

簡単にいうと、名古屋市に務めるバスの運転手が自殺をした件で行政側に責任を求めていた裁判です。遺族の方が裁判を起こしました。

2007年6月に市内で自殺されたんですが、遺族側は

1、過重労働

2、身に覚えのない乗客からのクレーム

3、乗客が車内で転倒する事故を巡り、上司からの執拗な指導

があったことを主張されました。

判決は、

1、1カ月平均約63時間の時間外労働をしており、ストレス耐性が低下していたと認定

2、乗客が転倒するクレームを収めるための対応(自殺された運転手を悪くさせ、事態を収めようとした)が精神障害を発症させたと認定

3、賠償額は将来得られるはずの収入について算定→賠償額は6400万円と認定

といった内容です。

訴訟では、心理的負荷を市側が予想できたかが焦点となりましたが、裁判側は市側の責任を認めたそうです。

さて、こういった事例を私たち教員のケースで考えたとします。あくまで事例研究です。

遺族の主張した内容を確認してみましょう。

1、過重労働→教員では60時間労働どころか100時間越えの違法残業もありうる。

2、身に覚えのない乗客からのクレーム→保護者や地域から、身に覚えのないクレームも当たり前のようにある。

3、乗客が車内で転倒する事故を巡り、上司からの執拗な指導→子どものトラブルに関し、担任教師を悪くさせ、問題を収束させようとする管理職もめずらしくない。

と、振り返ってみると、教職のブラックさは目に余るものがあります。

心理的負荷を市側が予想できたかが焦点だったそうですが、これも違法残業が放置され続けている教員なら十分に予想できます。勤怠は嘘をつくことはできません。

長時間労働は人を不幸にします。

原則教員において、残業は認められていません。今は成績処理の時期だと思いますが、休憩時間まで成績処理をしていたり勤務後も成績処理をしていませんか?そうなっているのはおかしいです。管理職は休憩をしっかりととってもらうことや、教職員全員を定時に帰す安全配慮義務があるはずです。

何かあったときに管理職や市教委は公務災害の責任はとるのでしょうか。