岐阜大学教育学部と愛知教育大学を比較する

愛知、岐阜、三重（東の方）の東海三県に住んでいる高校生にとって、教師になろうとした場合に目指す国公立の目指す大学は二つあります。

それで、どちらの方がメリットがあるのかというのが今回の論点です。

多分受験生だと、「どっちにしようかなぁー。」って感じだと思うんですが、今回はちょっと比較をしてみましょう。

まずは、入学する学力がないといけないので、今現在の偏差値（令和３年度４月現在）を比較しました。

一つ、強調しておきたいのは、これは昔の偏差値ではありません。今先生になっている人たちは、昔はこっちの方が高かったのよ！！！と、言われるかもしれませんが、ソースとしてはベネッセのマナビジョンというサイトからそのまま引用しています。今は、進研模試とかもやっているので、そこからデータを集めたんじゃないでしょうか。

もし、不満があるなら、尾張旭市内の先生方であればICT支援員（from ベネッセ）の方がきた際に「うちの大学の偏差値低すぎるわよ」と、文句を言ってみてください。ICT支援員の方はキョトンとあなたを見つめるはずです。笑

見ての通り、どっこいどっこいです。あまり変わりがありません。岐阜大学（教育学部）の方が昔は上だった、愛知教育大学の方が昔は上だったといわれても困るのでもう一度いいますが、この件は、ベネッセに文句を言ってください。ベネッセが悪いです。笑

ちなみに河合塾のデータも見ましたが、まぁ似たようなものでした。

学力的にまとめると、あまり変わらないので

岐阜大学教育学部 = 愛知教育大学

ってことにしましょう。違っていても、偏差値１、２なんて、米粒程度の差しかありません。

それで今回のテーマなんですが、同じような高校生の質問が知恵袋に載っていましたので見てみましょう。

こんな感じがベストアンサーでしたが、この件に関しては、現職教員からはっきりとしたアンサーをしますので、高校生諸君は参考にしてください。

まず、このアンサーの方の言う「カリキュラムがどう」とか、一切関係ありません。アンサー主は、岐阜大学教育学部のカリキュラムと愛知教育大学のカリキュラムを厳密に比較したかというと、そんなことしてないはずです。カリキュラムというのは何をさすのかはわからないけれど、外枠として日本の教育は「学習指導要領」に拘束されているので、そもそも同じカリキュラムなはずです。

また、岐阜大学教育学部出身と愛知教育大学教育学部大学出身の先生とが会ったときに、カリキュラムの違いについて論じてるのも、みたことがありませんし、きいたこともありません。もともと、「大学の授業なんて、その教授のやりたいようにやっている」だけです。身も蓋もないですが、そんなものです。

次に、後段の

「愛知で教員になりたいなら、岐大よりも愛教大、岐阜も考えているなら岐大・・・とした方がいいと思います。」

と言う点について、考察します。

愛知県の小中学校教員にあって、岐阜県の小中学校教員にないものがあります。それは「学閥問題」と「大手組合問題」の二つです。

学閥問題について

まず、岐阜県には、学閥の問題がありません。

岐阜大学を出ようと、愛知教育大学出ようと差別はありません。

もっというと、三重大学、中部大学、を出ようと差はありません。

いや、派閥はあるよという方もいるかもしれませんが、気になるものではありません。

しかし、愛知県には学閥の問題がいまだに続いています。

昔はほぼ１００％愛知教育大学出身の校長で独占していた歴史があって、今は下がってきてもその割合は驚くほどです。

令和２年度尾張旭でいうと、小学校９校、中学校３校の合計１２校のうち学閥校長は９人、学閥外（教友会）校長は３人という割合でした。市役所には管理指導主事という校長クラスの人が１人いて、その人も学閥なので、１３：３で愛知教育大学が有利です。３は岐阜大学じゃなくて、その他多数です。なので、愛知教育大学１強です。

そして、この愛知教育大学出身の教員がじゃあそれだけの割合がいるかというと、全体として３割ー４割程度じゃないですかね。

その学閥者がほとんどのポストを利権化・私物化しています。

その理由は、

という愛知特有の学閥体制があるからなんです。

もう少し説明すると、

岐阜大学教育学部出身の先生は、愛知県で教師になると、学閥組織（メイン）には入れなくて、教友会（おこぼれをもらう会）に入ることになり、まぁほとんど出世できない感じです。※教友会がない地域もあります。

「じゃあその教友会で、岐阜大学教育学部は結構上の方でしょ？優先して、人事を回してもらえるんじゃない？」と思われる方もいるかもしれませんが、教友会内においては残念ながら岐阜大学であろうとどこの大学であろうと関係ありません。

ここ、愛知県では、「愛知教育大学出身であるか否かのみが問われる」だけであり、徹底した選民主義が根付いています。それを教友会（愛教大以外の人が入る組織）に加入し受け入れ、おこぼれを預かろうとする方もいれば、私のようにあほくさいと揶揄する人もいますが、人それぞれです。

ちなみに今まで岐阜大学出身のベテランの先生方をちょくちょく見てきたんですが、

本当に、、校長になった岐大の人見たことないんですよね。

もちろん自分の周りだけかもしれませんし、どこかにいるかもしれません。窓際教員で、定時を超えたらさっと気配を消して帰宅される岐大の先生は見てきましたが、校長まで登りつめた岐大先生を見たことがないんです。もともと尾張旭市だったら、１３人中３人分しか、学閥外のポストがないから少なすぎるっていうのもあるんですが、、本当に「チーズはどこへ消えた」ではなく、「岐大の先生はどこへ消えた」、、。状態なわけです。笑

逆に愛知教育大学出身の先生が岐阜県で働くとどうなるかわかりますか？

普通に差別されることもなく、フェアな条件の元、校長へと出世することも可能です。岐阜県は出身大学で差別しません。

不公平じゃないか！！憤る方もいるでしょうが、現実はそうなのです。

ということでですね、今回の結論は、

「入学偏差値的には岐阜大学教育学部と愛知教育大学は変わらないが、管理職にまで視野を広げるなら、愛知教育大学に行った方がよい。」

というのが、答えです。

なんかね、若い時は出世は何も思わないかもしれないけど、周りに入った同期が出世をしだすと考えるみたいですよ？５０歳過ぎれば、同期が教頭や校長になっているので、その時にどう思うんですかね。あぁ、あのとき偏差値が変わらなかった、愛知教育大学に行っていればこんな冷や飯食わされずにすんだのに、、。ってなるんですかね。ただし、生粋の岐阜県民で岐阜県で教師を絶対にやるんだ！！という人は、岐阜大学教育学部に進み、岐阜県民としての人生を謳歌してください。(^_^)

あと、組合問題に関しては、

愛知県の小中学校教員は大半が大手組合に加入します。なぜ加入するかというと、「大半の人が入っているよ。」と、職場の勧める係の人が勧めるからで、大手組合の係仕事の一部です。それに対し、岐阜県の小中学校教員は、ほとんど入っていません。

組合というのは簡単にいうと、違法残業等あったら駆け込んだり、不利益があったら間に入ってもらう組織で、毎月のサブスクです。

値段は毎月３６００円。一年では４３２００円程度になります。

労働三権で習いましたよね。「使用者」に対する「労働者」の構図の元、交渉を続けより働きやすい職場に変えていくわけです。

建・前・上・は。

愛知県の小中学校教員はその組織に入っている人がほとんどですが、実際は労働者向けの組織じゃないので、労働問題は基本的に無視です。課金しているにも関わらず、労働者に寄り添う組織ではないのです。

役得は、教育委員会事務方（出世ルート）に労働組合組合幹部は優先的に回してもらえます。ちなみに、幹部は管理職見習いの教務主任や校務主任の人が大半で、組合の幹部なのに寧ろサービス残業をたくさんして出世をアピールしています。というふうに、体制側の維持組織であって、いわゆる一般的な「労働組合」ではありません。出世したい人が足掛かりにしてアピールする場所が大手労働組合であり、そのように機能しています。だから、労働者の権利を守るための組織ではないので、出世しない人はただひたすら課金を続けて食い物にされるだけの、、あ、もうやめときます。笑

つまり、管理職見習いの人たちの足掛かりの組織というのが本質であり、まぁ、労働組合なんだけど組合活動をしないように幹部が監視している組織というか、、管理職側からすると、超絶有能な組合です。嫌なこと言わないんですから。

私はこの大手組合を辞める時に大手組合幹部の人たちと話をしたんですが、その人たちは全て教育委員会の幹部になっていました。

なんかもう、全てのことが吹っ切れるくらいのギャグをかましてくれてます。（＾ω＾）

というふうに、愛知県はちょっと拗れてしまっています。

だから、「あさぴい」をつくってみた感じなんですよね。

まとめ