この風刺画を見て下さい。教育関係者の立場をうまく捉えているように思えます。
米(アメリカ)役は、文科省
英(イギリス)役は、教育委員会・校長
日(日本)役は、教員
露(ロシア)役は、荒廃した教育現場ってところでしょうか。
米国役である文科省は、
教員が不利になるような法律を作ったり、勤務時間で終わらないようなボリュームの仕事の外枠(学習指導要領や標準時間)を作ります。学習指導要領の内容なんて勤務時間内に終る内容じゃないですよね。標準時間を守ろうとすれば、各小学校は6時間目を増やして対応せざるを得ない。給特法改正も、みんなに期待させといて、酷い改正でした。在校等時間っていうインチキ概念を持ち出したのは文科省です。教員免許更新制度もやっと改正されそうですが、散々非難されていたのは承知なはず。ずっと無視していました。おまけにまた違う制度を導入しようとしています。
何でもかんでも学習指導要領に盛り込み、標準時間も増やすから、教員はずっと違法残業地獄に陥っています。歴史的に見ても、文科省が教員サイドに寄り添った施策をしてくれたことなんて、コメ粒くらいしかありません。
英国役(教育委員会・校長)を守るために給特法を作り、未だに違法残業を放置し続けています。毎年過労死で何人もの教員がなくなったりしているのも当然知っていますし、物凄い数の人がうつ病による休職や退職に追い込まれていのも知っています。
それでも、全然手を打ってきませんでした。文科省は確信犯なのです。
学級崩壊も珍しい話ではなくそこら中にある話です。だけど、文科省の立法レベルで教員を守る動きは皆無です。ちなみに先進国で学級崩壊が起こることなんてレアですよ??日本では、現場の教員が誰か生贄になって終わりです。荒れたクラスなんて誰が持ってもしんどいです。ぜーんぶ無視です。厳密に言えば、荒れたクラスを無防備に持たせることなんて、安全配慮義務違反だと思うんです。例えば、散々子どもに暴言を吐かれる、煽られる等、そういう職場に「はい、お願いね。」って任すことって、そもそもおかしくないですか?もちろん上手くいくこともあります。上手くいかなければ、先生に力量がなかったとか言って、一年間放置プレイです。これって、労働安全衛生法に引っかかると思うんですよね。危険作業他ならないわけで。所詮人間関係なんで、運ゲーです。で、この運ゲーに引っかかって一体毎年、何人の人がうつ病休職しているか。全国規模で何千人の単位じゃないでしょうか。
ロシア役が「荒れたクラス」です。本当に丸腰でいかせますからね。笑
僕らには、出席停止させる権限もなければ、暴れまわる子どもを止めることも難しい。掴んで廊下に出すことでさえ、暴力行為と認定されかねない。丸腰で上手くやれる先生が「できる先生」。そんなのおかしいですよ。そのできる先生も、何回に一回はロシア兵の銃弾が胸を貫通するわけです。それは、確率の問題に過ぎません。
ちょうど、サラリーマンの営業に似ています。絶対に成功するサラリーマンの営業なんてありませんから。クラス経営もサラリーマンの営業も「人間関係」をベースにしている時点で、「契約成立」もあれば「契約不成立」もあるわけです。それが、クラスの場合は、「一年間、人間関係が崩れたまま」、放置されます。学級崩壊したクラスが復活することなんて、ほとんどありえません。残り一年間の泥沼の消化試合が行われます。学級崩壊すれば、教師の人権はありません。児童生徒から散々舐め腐った態度をとられ、保護者からも言いたい放題の総スカンで、教師の人権は完全無視されます。
文科省は校長が出席停止をさせることができると言います。しかし、実際に校長が実務として、出席停止を全く行えない状況下にあることも分かっています。積極的に出席停止をしてもいいよという通知も出しません。今もずっと放置しています。
重ねていいますが、丸腰の無防備状態で学級崩壊したまま一年間過ごすなんて、先進国ではありえません。この国の根性主義の教育フレームワークは昭和から変わりません。
まとめると、
・文科省は、違法残業を助長させる取り組みしかしていない。(要するに仕事を増やす。違法残業を誤魔化す法改正をしてきた。)
・現場サイドが働きやすくなるような、立法的取り組みをしない。(保護者や児童生徒の立場を上げ、教師の立場を下げ続けた。)
と言えます。
ですが、ここからがポイントでいくら文科省の施策が酷いと言っても、私達は文科省を訴えることはできないのです。なぜなら、文科省は、教育委員会(校長)を通して、現場に意を降ろすからです。
英国役である教育委員会・校長が、米国(文科省)のアドバイスをうけながら、まぁ教員に直接命令するわけですよ。文科省の決めた外枠に準じるように、勤務時間に終わらない無謀な分掌や授業コマを教員に与えます。これも分かっててやっています。ですが、教育委員会(校長)はおとなしく、文科省に従うだけです。なぜか。教育委員会(校長)も利権があるので、そっとしてほしいわけです。愛知県なら学閥利権が有名ですが、他の地域も愛知県ほど腐ってなくても、多かれ少なかれ縁故でポストは配分されているんじゃないですかね。そういった理由も、「できる校長」が絶滅危惧種並に存在しないという理由の一端でもあるわけです。異議があるなら、校長たるに相応しい業績や成果を教えて下さい。内輪の面接試験を突破したという、業績と言えない経歴があるだけです。
基本的に校長は「校長たるに相応しい業績」はありません。
あさぴいは何いってんだ、この野郎!!と息巻く校長が仮に存在するならば、自校の「毎月の勤怠表」と「年間の残業時間を集計した表」を私達に見せてください。教員は労働基準法の労働時間が適用されているので、残業時間は0になっていて、全員が定時で帰宅していないといけませんよ?
はい。シーンとなりましたね。笑
あさぴいはいつでも管理職の先生方と話し合うことはできるので、一緒に職場交渉をしながら、過ごしやすい学校を作っていきましょう。
ごめんなさい、話が脱線しました。今回は文科省のアンタッチャブルさを説明するブログなので話を戻します。
何がいいたいのかというとですね、、重複しますが、
文科省→(指示)→教育委員会・校長→(指示)→教員となっているので、文科省を直接被告として訴えることができないわけですよ。学習指導要領で終わらない内容を示されても、年間授業時数がめちゃくちゃでも、結局指示を出すのは校長なので、校長しか訴えることができません。校長や市教委に対して地公法に基づく交渉は申し込むことができても、文科省に対して交渉はできないわけですよ。
で、そこがミソで、文科省は、不可侵の場所にいるわけです。安全な場所から出ようとしません。
仮に違法残業問題で、教育委員会・校長が教員と争って、敗訴したらどうなるか。敗訴が続けば、当然、文科省自体に非難がいくわけです。なので、そうならないために、前衛となる教育委員会・校長が有利になるような法改正をしてきました。もはや労働基準法等の各種法規とも矛盾を起こしており、弁護士や法学者、厚生労働省ですらも首をかしげる状態が出来上がりました。
この辺がなんだろ。。日本って凄く残念な国だなと思うんですよ。
在校等時間って何ですかそれ。ILOとかに説明できる概念ですか?
裁判で教育委員会・校長を勝たせるためにやっているとしか思えません。
ちなみに、民間の会社が労働基準法の労働時間を超えてさせた違法残業を、「在社時間等」と言って誤魔化したら、労働基準監督署から是正が入るのは言うまでもありません。また、違法残業の量が多ければ、刑事上の罰則が課されます。
今回のブログは、なんだかよくまとまらずに終わりそうですが、この二重構造の闇を、もっとマスコミも分かりやすく報じる必要があると思うんですよね。埼玉で、田中まさおさんの訴訟の決着が付きそうですが、校長と教員の単純な二項対立の労働裁判ではなくて、俯瞰すれば文科省という国がバックについたインチキ立法(解釈)が存在しているという点です。
過去の校長と教員が争った裁判では、校長は平気で勝つための嘘をつきますし(これもそもそもどうなのかと思う。)、文科省も教員を負けさせるために作った給特法で校長側を支え続けてきました。そして、本当は三権分立構造にあるはずの司法も、教員の行政訴訟だけは教員を敗訴させることが多かった。(残業手当を払うと認めたら、天文学的な訴訟裁判が起きる可能性があるので、裁判官も政治を忖度し逃げます。統治行為論的な回避ができないから、とりあえず敗訴にしとくかみたいな感じなんですかね。そういう点では、鳥居裁判(最高裁)は革命的な事例だったんだけど、、公務災害という特殊性が良い判決を導いたのかも。)
さて、田中まさおさんは、10月1日に判決がでます。勝訴するでしょうか。ここまで読めば、勝訴は一筋縄ではいかないのはわかりますよね。
あさぴいは、応援しています。田中まさおさん、頑張って下さい。