分掌・人事希望用紙の書き方

  • 2022年1月30日
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さぁ、みなさん。そろそろ分掌・人事希望用紙が配られ、来年に備える時期がやってきました。もう用紙は提出しましたか?大抵次の二点について記入することになると思います。

1、校務分掌の希望

2、どの学年を持つかという希望

さて、ここで大きな間違いをしている人が多いので、声を大にして言います。

「管理職に一任します」

と記入してはいけません。

絶対にいけません。必ず希望を伝えましょう。

一任と書くのがかっこいいと勘違いして提出する人いますよね。特に若手。それは、絶対にやめたほうがいいです。

なぜなら私たちは労働安全衛生法的に、安全安心な職場で働く権利を有しているからです。そういった権利を自ら放棄するのは、かっこいいあり方ではなく、間違ったあり方です。そして、得てして、自らブラックな環境に突っ込む人間は他人にも同じようなことを要求しがちな危険な人物となりがちです。笑

あなたが一任と書いて、仮にはちゃめちゃなクラスを持たせられたらどうなるか。そして、それが原因であなたが休職してしまったら。。

管理職は守ってくれませんよ。校長が減給になることもなければ、責任を問われることもないのです。反省はしません。

しかし、しっかりと希望を言っていれば、何かあったときの責任論として、管理職に追及することもできます。自分の身を守るためにも、希望ははっきりと伝えてください。

管理職には職員が安全安心に働く職場を構築する義務、すなわち、安全配慮義務が課せられています。そのセオリーに則って、私たちは安全安心に働く労働環境を求めていけばいいだけであり、一任と書かなければならない義理はありません。

めちゃくちゃなクラスを誰がみるかという「学級ガチャ」のようになっていることがそもそもの問題であり、管理職も担任の先生と一緒になって生徒指導を手伝ったり担任の負担を減らすように尽力しないといけないはず。安全配慮義務は無視されつづけています。教師に人権がないと言われる理由です。

児童、生徒を出席停止にできるのは、「校長」です。私たち担任ではありません。なので、問題行動においては、校長も積極的に指導することが制度として企図されているはず。例えばアメリカなんかだと、校長が積極的に問題行動には介入し、保護者を呼びつけペナルティを与えるはず。

それに対し日本の校長は問題児童に対しどうするか。

基本的に何もしません。担任が丸抱えしないといけません。酷いと保護者の味方をする有様、、。安全安心な働きやすい職場を作るという責任を放棄しているのです。。

労働安全衛生法的に、教員目線に立ったマネジメントが行われていないことが大問題なのです。大変なクラスを持って教師が潰れてしまっても、担任のせいにしてチャンチャンで終わりです。学級崩壊での休職は日本全国に山ほどありますが、校長は責任をとりません。

驚くことに、学校の管理職は労働安全衛生法をガン無視します。もっと酷いと、そもそも労働安全衛生法すら知らなかったりします。

そんなもんなんですよ。学校の管理職の労働法関連の意識って。なぜ僕らが義理立てて「一任」としなければならないのでしょうか。それは一任と書くことが良いとされていた、圧力として強要されていた昭和の価値観そのものではないでしょうか。校長に呼びつけられ、「いいかい?若手のうちは希望なんて書くもんじゃない。一任と書きなさい」というハラスメントまがいの昭和の遺物はどこにでもありました。

あ、そうそう分掌の欄の話もしましょう。

分掌の欄は1.勤務時間に終わるボリュームにしてくださいと書くか、2.負担のない分掌を書くのがおすすめです。そうしないと勤務時間の終わらないボリュームの分掌を当てられます。若手ほどリスクは高いです。もちろん勤務時間に終わらない仕事を分掌として与えるのは違法であり、判例上でもそうですし、文科省も校長に注意を促しています。しかし、彼らはそれを無視します。

なぜ、無視するか。手元に分掌を残すと、校長自身が分掌実務をしないといけなくなるので、基本的に現場に全フリします。それだけの話です。本来、違法です。

(なぜ、校長は実務をしないのでしょうか。単純に、校長は自分は上がり職だと思っているので、楽したいからです。それだけです。一日の内、半日でも校長が実務をしてくれたら、大部分の分掌はなくなります。だけどしません。この辺は元は合議制だった昭和のシステムをそのまま引きずっているからだと考察しますが、その話はまた今度。今はトップダウン方式だから、本来は校長は率先して実務をしないといけないはずなんですが、、。)

分掌でも私たちが一任と書いて、サービス残業を進んで引き受ける理由なんて微塵もないんですよ。むしろ、何かあった時の責任論としても、勤務時間に収まる分量の分掌を求める旨を用紙で伝えることが肝心です。

給特法上、自発的残業と処理されかねないリスクがあるので、はっきりと明示することは実はめっちゃくちゃ大切です。そして、その意思表示をスマホでパシャっと記録に残しておけば、それはあなたを守る強力な「お守り」になるはず。労働法を勉強されている先生方はこの意味の深さが分かると思います。(๑>◡<๑)

もちろん、学校に協力したいという純粋な思いで一任と書くこともあるでしょう。しかし、現行の法解釈や判例では、「一任は自滅に繋がる。」と覚えておいてください。例えば、体を壊したとしても、校長は平気で「希望は一任と書いてあり、うまくいかないことは予見できなかった。」と、言うと思います。だけど、予め「普通の学級ならもてるが、人権を侵害する安全配慮義務違反のような酷い学級は、正直自信がない。」ということを伝えておけば、校長は予見できたと言え、責任を問える余地は広がります。つまり、公務災害補償とかの話にも繋がると思うのです。危険な職場に従事させたらそれに対するフォローは当然必須なはず。問題のある児童・保護者の対応を担任が全て行うのはおかしな話であり、本来管理職も責任はあるはずなのです。

あさぴいは、組合員を管理職の恣意的な「学級ガチャ」の生贄にすることは、決して許しません。組合員が安全安心に働くことのできる労働環境の構築を、管理職に強く求めていきます。

 

備考

安全配慮義務とは、事業主が労働者の事故防止・健康確保のために措置を講じなければならないという義務を指します。

労働契約法第五条には労働者の安全配慮が書かれており、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とあります。(厳密な直接適用はないが、常識的な労働者の安全配慮に関する一般論として用いられている。)

労働安全衛生法第一条、第三条には事業者等の責務が明記されており、「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。」とあります。

労働安全衛生法に列挙されている事例は最低基準であり、それぞれの職場に応じて、安全の意味合いは異なります。安全配慮義務とは法令の厳守に留まらず、個別の労働者の仕事内容・健康状態に照らし合わせ、事業主は事故防止・労働者の健康確保のための対策を講じることが求めらます。