復職プログラムは復職するためのものなのか

  • 2023年9月11日
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まず、復職プログラムというのは、精神的なダメージを受けて休職してしまったものがメインであるということを前提として抑えたいです。

復職プログラム一覧を見てください。こちらを見れば分かる通り、メインは精神疾患をターゲットにしています。もちろん他の休職にも復職プログラムは使うことができますが、精神疾患がメインだということはお分かりいただけると思います。

流れとしては、「あ、やばい。もう今のクラス、無理っす。休まないと。」ということになった場合、まずは療養休暇を取得します。90日マックスで取得することができます。

そして、90日後、復帰をするのか、もっと休むかを決断しないといけません。復帰をすればそれで終わりですが、もっと休むと選択した場合です。その際は、「休職」となります。

休職と療養休暇は別物です。休職になれば、復帰をするときに「復職プログラム」というものをやらなければなりません。

休職期間があまりに短い場合は、復職プログラムがカットされることもあるのかもしれませんが、原則全員受けなければなりません。この復職プログラムは無休であり、交通費も出ません。公務災害の対象からも外れています(県が保険を払ってくれているそうですが)。

なので、形としては「自発的なプログラムへの参加」ということです。

いやと言えば、受けなくてもいいのかもしれませんが、復職する際の参考となるので受けざるをえません。この辺も労働法的にスマートではなく釈然としないところもあり、突っ込みどころありまくりなのですが、現状は自発的な復職プログラムへの参加が必須状態です。

うちの優秀な市教委の人がうまくやってくれるような気もしますが、復職プログラムについては県教委に書類を提出していき、県教委からも意見をもらわなければならないようで、その時点でまぁガチガチめの復職プログラムになりそうなのは予想できます。

結論から言います。復職プログラムをやっている人を見たことがありますが、うまくいったパターンといかなかったパターンがあります。弊害の大きいシステムだと思います。

一番大きな問題は復職プログラムは原則、休職した場所で行わなければならないことです。

例えば6月に学級崩壊を起こしてしまい、休職してしまったとします。じゃあ来年度の4月からすぐに復職できるのかと言えば、そうではなく、3ヶ月程度の復職プログラムを受けないといけません。

ということはですね、6月に学級崩壊で休職→1月から復職プログラムが求められます。それって、あまりに残酷だと思います。

1月に勇気を出して学校にきたとしても、学級崩壊をしたクラスの子からは、「〇〇先生が来た!」と言われ、職員室の元の自分の机には代わりに来た講師の先生が座っているので、自分は奥の方の目立たないところに座って、こそっと過ごすという肩身の狭い思いをするでしょう。

公開処刑にでもされているように錯覚するのかもしれません。これが3ヶ月続きます。

学級崩壊するまでは、必死に耐えて頑張ってきたことだと思います。学級をめちゃくちゃにする児童やひたすらクレームばかり言ってくる親。その両方とも、労働安全法上から問題をみてみれば、介入しない管理職は労働安全法違法だっただろうし、労働基準法的にも違法だったことでしょう。校長や教頭には安全配慮義務がありますが、学級崩壊が続いている時点で、安全配慮義務を無視しています。本来それを徹底的に追及せねばなりません。私たちは安全安心な職場で働く権利があるのです。

しかし、一般教員はそれを知らず、「申し訳ございません」と、自分を責め、休職してしまう。そして、復職プログラムの開始に二の足を踏みずるずると、2年目へと休職期間が伸びてしまう。そして、翌年、やっと他校で復職プログラムを受けて復帰をするという感じが、一つの雛形になりそうです。

休職したその年の1月から復職プログラムとして復帰するというイジメのような在り方は、もう国主導でマニュアルをつくっているのでどうしようもありません。休職なんかしてしまう教員はとっとと辞めていけという暗黙の組織代謝を行なっているようにも見えてきます。

とすれば、この復職プログラム自体がインチキ・眉唾ものだし、もう開き直って行くしかないわけです。原則休んだ場所で復帰プログラムというのは、わざと苦しめさせています。ということで、感じたことは、結局教員って「駒」だなと思いました。荒んだ学級で戦っても、結局管理職は逃げようとするし、そこで負傷して休職しても、腫れ物の扱いになる。

ならば、正々堂々と愚者を演じ大変なクラスを持たないようにするか、ストレートに安全配慮されたクラスを持たせてくれと要求するかしか、道は残されていません。最も後者はよっぽどの強者でなければ言えないので、大半の賢い教員は愚者を演じ、こそっとうまく立ち回っていきます。

メンタルを崩したとき、他の教員に相談すると「休職したら?」と言います。しかし、休職するからには復職プログラムがあり、その茨の道は3ヶ月我慢する必要が出てくる。まずは休職する際に復職プログラムをいつ行いいつ復帰するのかというところまで、見通しを立てるべきです。何もプランがないなら休職しない方がいい。ちなみに自分が復職プログラムをするなら、組合に間に入ってもらい、自分の状態に即した復職プログラムの在り方を実施してもらいます。復職プログラムは個別具体的に各自のオーダーメイドでもあるので、負担なく柔軟にやってもらうよう組合から働きかけてもらいます。配慮されないなら、休職に至るまでの管理職の安全配慮義務違反を徹底的に追及するだけです。

そもそも、うちの組合は予防がメインなので私たちの組合員が安全安心な職場で働けていない時点で介入します。( ◠‿◠ )今までの経験上、市教委、校長らと話をすればそれで終わりな気がします。うちの市は、そういう点は割とスムーズなことが多いです。

一度休職してしまったら、メイン組合を離脱して、あさぴいに加入してしまうのも手ですよ。ある種の吹っ切れが必要です。笑

市内で休職されている方々がたくさんいらっしゃいますが、一緒にスクラムを組んで、、、なんてダサいことはしません。一度きりの人生、もう開き直って、楽しく生きようじゃありませんか。